相場所感

不定期

2020/5/31

 かなり不自然な上昇相場。日経平均が22000円手前。 コロナの底値でのもみ合いの後はしばらく緩やかな上昇トレンドが楽しめたが、先週頭うちになりかけたところでとうとうトレンドブレイク。当初のような超長期的なコロナの影響がないことが分かってきたこととIT株、半導体株、小売株が先行していたが、それに回復が追い付いていない鉄鋼や金融、商社などが上がった形になる。 とはいえかなり上昇が急峻なのは否めない。出来高は軒並み高く、日中の取引では下がりを見せることなく上昇している。一部には海外の売り勢が買い戻しに走る踏み上げ相場だと言っている記事もあったがあながち間違いでもない。一方で、かなり上昇が大きすぎる。米中の対立は続くだろうし、コロナも終息したわけではない、コロナ前の相場が24000円だとするならば、コロナの影響でワクチンが開発されたとしても人間の行動や購買力は落ちざるを得ないはず。実情経済として現在の22000円は高い相場と言える。 それを見てか、トランプ大統領の中国制裁を待つ週末は出来高も低く下を探る動きのように見えた。通常強い上がり――価格が跳ねるような相場は最初の飛びと次の飛びのあと出来高の小さい上りが1つあるというのがスタンダードな形だが、今回の騰勢を見るにその形をとるかと予想していたが、予想外に下がった。石油と小売り株を持っていたが午前で売り抜け。 産業が回復しておらず為替もドル円108を突破できない状態でJFEUFJを注目株とは思えないので手を出さず。日経の逆連動株を少し買って持ち越し。 来週はトランプ大統領の発言がそこまで深刻でないことから楽観に行くとは思うが、一方で高値警戒も強いはず。前述の鉄鋼や金融は一度下がりさえすれば誰も警戒して買い手はつくまい。下がりさえすれば買い戻しを迫られる売り方や押し目買いも動き出すはず、全体としてはやはりコロナ情勢に左右されるものの、予想としては21000円程度まで一度戻して、上がるだろう。 一方、21700円から22000円までジワリと攻防が続くなら上値を放たれる可能性もあり。自信をもって張れない相場。 また、コロナ第2波が来るならば20000円まで戻る可能性を見る必要もある。その場合半導体や小売りは先んじて上昇した分を返上せざるを得ない。

来週は下がりを見つつ、金融と鉄鋼など次の上昇ジャンルを重視して上りの可能性を探る方針。